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今さらながら Acrobat のおさらい2

初回の「今さらながら Acrobat のおさらい」は2012年(遠い目)……。
自分の欲しい情報を探しているうちに、他人様の質問に答えたくなったのでちょっと書き足しておきます。

普段は InDesign でページ組をすることが多いのですが、時折ラスタライズしたPDFが必要になることがあります。
お客様の環境でプリントアウトされると、透明の設定の都合でしょうか……文字が太って出力されたりすることがあります。画像としてプリントすれば解決できますが、150dpiなので小さい文字が読めません。その回避策として、300dpi程度でラスタライズしたPDFが必要になってくるわけです。

InDesign で 300dpi の PNG を作って Acrobat でファイル結合……という手順を踏んでいますが、もうちょっと、こう、スマートな手段はないものかと。

試行錯誤してみたらありました。

まず、対象のPDFを開き、[アドバンスト]→[印刷工程]→[分割・統合プレビュー] を開きます。

設定項目は以下の通り。

  • ラスタライズとベクトルのバランス → 0
  • ラインアートとテキストの解像度 → お好みで
  • グラデーションメッシュの解像度 → お好みの 1/2程度

分割・統合プレビュー

ですが……アンチエイリアスがちょっと弱いかな (^^;

いろんなパターンを試して見ました。
結果を貼っておきます。

300dpiのPDF (TEST300.pdf

さすがに美しい。

300dpiのPDF

300dpiのPNGをAcrobatでPDFに(TEST300PNG.pdf

手間をかけるだけの価値はあるか…。やはりキレイ。

300dpiのPNGをAcrobatでPDFに

Acrobat上で、300dpiにラスタライズしたPDF(TEST300R.pdf

少々シャギーが目立ちますが、プリンタ出力でどこまで判別できるかにかかってます。

Acrobat上で、300dpiにラスタライズしたPDF

今さらながら Acrobat のおさらい

ここ数年、PDFで下版する機会が大幅に増えています。
というか、ネイティブデータで下版することのほうが少なくなりました。

とはいえ、PDFで下版しても……最終的にイラストレータで開き直して出力って手順を踏まれている会社もあるようで(笑)

結局「アウトラインでちょうだい」とか言われましても、私しゃイラストレータで組み上げることなんてあり得ませんので。

そんな時、PDF上で細工はできないものかと調べてみましたところ……

ありました。

PDF製作環境にもよるんですが、

  1. 透かしを追加(…Windows環境で作ったPDFだとこの手順が必要っぽいです)
  2. 分割・統合プレビュー

この手順でPDFのフォントのアウトライン化が可能です。

では忘れないように手順を(笑)

文書のプロパティ01

まずフォントの状態を確認。ちゃんとフォントがエンベッドされています。

透かしを追加

透かしを追加する。テキストに「 」(全角スペース)を入れてます。

ページ範囲

念のためページ範囲を確認。

分割・統合プレビュー

次に「分割・統合プレビュー」で解像度を1200dpi、全てのテキストをアウトラインに変換、すべての線をアウトラインに変換。文書内のすべてのページに適用してからOKします。この処理時間はボリュームに依存します。

文書のプロパティ02

終わったら再度確認。
これでフォントはすべてベクトル処理されました。

\ PDF万歳 /

WEBサイトのログを見ていると

PDF トリミングでお越しいただくことが多いようで……。
AcrobatPro(相当)であればPDFトリミングなんぞ、屁でもないですよね。
念のため手順をば。

  1. 文書→ページのトリミング
  2. 出てくるダイアログでトリミングしたい周囲の寸法を入力
  3. カーソルで動かすには↑↓部分をフォーカスして、カーソルで操作
  4. 適用範囲も指定できますので、表示している1ページだけでもトリミング可能
  5. トリミング後のページサイズも確認できるので「トリミング後B4に」とかも確実

出てくるダイアログでトリミングしたい周囲の寸法を入力

自分が困ったのは、出先で「これなんとかして〜」と頼まれた時。
Readerぐらいしか入ってないし、それではトリミングできません。
幸いMac環境だったので、プレビューでなんとかならないか試して見たところ、上手くいったという寸法です。

詳しくは以下のPOSTをどうぞ。

Adobe Acrobat を使わないでPDFファイルをトリミングする

まぁしかし、未だに適当な作り方しかしらないDTPオペとかデザイナーが多いのは確かですね。で「ちゃんとやってる(つもり)」になってる人。後工程が迷惑するんだよ。ちゃんと勉強しようね。

PDFの意味が理解されていない気がする

もう何年も前から言っていることなのですが、最近はAdobeCS等のおかげもあってか、グッとましになりましたが……。

OS9時代には、割れたOCFを使いまわしているために「フォントをエンベッドしたPDF」ってのが作れない業者さんがあふれかえっていました。
そこで、見た目だけソレっぽくするために、イラストレータでページ組(チラシメインの印刷屋はデフォ)してそのままPDF保存(笑)

まぁ見た目はちゃんとしたPDFに見えますわな。
でも何のためにWEBにアップするの? って理由を考えたらわかると思うんですけど。

それならJPEG画像貼り付けてる方がよっぽどいい。わざわざ開かなくても見えるし。

データサイズも同様。イラストレータ編集可能状態でアップされてるから重くてかないません。まぁ落としてきたら、すぐに編集可能になるってのは魅力ですが(笑)
その流れで、なんでもかんでもイラストレータで組む組む(笑)
そしてアウトラインばんばんかけて、PDF納品……まー、そういうやり方はいただけませんなぁ。

客先もそれに慣れ切っちゃってるから複数ページのPDFとか見たことなくらしく(笑)
あきれて物が言えませんなぁ。

Adobe Acrobat を使わないでPDFファイルをトリミングする

出先で「PDFファイルから両面プリントをして欲しい」という依頼がありました。
しかも下のようなPDFファイル。データの中央に配置されていれば何の問題もなくプリントできるんですが、中央でないうえ、サイズも何が基準になっているのか? 全く不明。そのうえ、Mac OS X (10.4.11)とAdobe Reader しかない状態。DTPアプリケーションが揃っていればどうってことない作業なんですが…。

fig-01 Continue reading